arduinoでトランジスタ入門
研究室にある「わかる!電子工作の基本100」「電子工作の素」の内容をベースに解説していきます
- 作者: 遠藤敏夫
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2010/11/25
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目的
- arduinoから流せる電流よりも大きい電流・電圧が必要なものを制御する
- DCファン、電磁石、リレー、ペルチェ素子など
- arduino UNOのデジタルI/Oピンからは20mA程度の電気が流れる
- 40mA以上流すと壊れる
- トランジスタやFETを用いて流せる電流を「増幅」する
小さい電流を(文字通り)増幅して大きくする❌- 小さい電流を制御して大きな電流を制御する ⭕️
- 結果として流せる電流は増える = 「増幅」
- トランジスタ/FET は言わば電子的なスイッチのようなもの
- スイッチのON/OFFをarduinoから制御できる!
トランジスタ
- 平らな面を正面にして、左から エミッタ(E)、コレクタ(C)、ベース(B)と呼ぶ
- 「エクボ (E, C, B)」と覚えるとわかりやすい
- ごくたまに例外があるので注意
- ベースに少量の電流を流すことで、コレクタ-エミッタ間に大きな電流を流すことができる
- ほぼ比例の関係
- NPN型とPNP型
- 半導体のパターンの違いで、流れる電流の向きが異なる
- 通常はNPN型を良く使う(2SC1825等)
2SC1815-GR
今回は最もポピュラーな2SC1815のGRクラスを用いて解説していきます。
データシートはこちら
その際に特に確認してほしいパラメータが以下です
- コレクタ-エミッタ間電圧 Vceo
- 最大で何Vまで使って良いか
- 実際にはこれの1/2以下の電圧で使う
- コレクタ電流 Ic
- 最大で何mAまで流して良いか
- これも実際は1/2以下の範囲で使う
- 直流電流増幅率 hFE
- 何倍まで増幅できるか
実際にデータシートを見ると
- Vceo: 50[V]
- Ic: 150[mA]
- hFE: 200~400(ここでは200とする)
とあるのがわかります
回路設計
トランジスタのドライブ回路はだいたい以下のように組みます
その際の重要なポイントが3点あって、
電流制限用の抵抗R1を入れる
ONした際にベースに電流が流れ過ぎないように抵抗を入れます
ここの抵抗値を変えることによって、トランジスタで増幅する電流を変えることができる(詳しくは「電子工作の素 p154~」)出力の安定化のために抵抗R2をはさむ
マイコンでトランジスタを用いる場合、電源ON直後にはトランジスタがONでもOFFでもない不安定な状態になることがあります。これを防ぐために、ベースからGNDに逃がす用に抵抗を入れます
基本的には R1≦R2 となるようにするが、だいたい10kΩくらいでよいコイルを使う場合には逆起電力対策のダイオードを入れる
モータやリレーなどのコイルを扱うときには、逆起電力に注意する必要があります
これは電源ON→OFF時に逆向きの高い電圧が発生してしまい、トランジスタが壊れる可能性があります
その対策として、コイルの両端に整流用ダイオードを並列につなぎます
実習
トランジスタを使ってLチカしてみましょう
【追記】回路に間違いがあったので修正しました(12/21)
arduino側は、exampleのblinkを書き込んでおきましょう
void setup() { pinMode(13, OUTPUT); } void loop() { digitalWrite(13, HIGH); delay(1000); digitalWrite(13, LOW); delay(1000); }